THX pm3 スタジオを作るために　　THX pm3 プロジェクトの流れ THX pm3 は、THXの設計担当者と打合せを行いながらスタジオの基本設計を完成させ、最後にTHXの測定担当者によりモニタ調整、各種測定が行われることで終了するプログラムです。 従って、THX pm3 プログラムは、スタジオの企画段階から既にスタートしているものであり、数値や性能を模倣しながら独自に作ったスタジオに対して、竣工後に認証を申請するプログラムではありません。 それは、THXが、単なる数値のコピーではなく、スタジオごとのコンテンツに合わせたモニタリング環境の設計を行っているからです。 THX pm3 スタジオを作るに当たっては、THXとのやりとりを考慮した工程の算出、プロジェクトチームの編成と役割分担の明確化、スタジオのコンセプトの確立が必要となります。

認証に関わるリスクを最少とするためにも、工事開始前に十分な設計検討を行っておく必要があります。設計（図面）内容が不十分な状態での工事開始は、認証テスト合格の確率を大幅に引き下げてしまう可能性があります。 また、映像にスクリーンを用いる場合には、その分の納期を考慮に入れた工程の検討が必要となります。 THX pm3 スタジオによっては、映像サイズ（スクリーンサイズ）とスピーカの配置が厳密に定められていることがあります。そのようなスタジオでは、映像（スクリーン）サイズやその設置位置の変更が、スピーカ配置やスタジオのレイアウトに対して多大な変更を要求することになります。 また、音響上の理由により、THX pm3 スタジオにおけるスクリーンのほとんどは、特注サイズとなります。 従って、スクリーンに関しては、現場での納まりも加味した十分な図面上の検討を工事開始前に行い、それが確定後に発注を行うように心がける必要があります。

THX pm3 プロジェクトを始めるに当たっては、いわゆる「申込書」に相当する「pm3 SITE INFORMATION FORM」をTHXに対して提出する必要があります。 「pm3 SITE INFORMATION FORM」に関しては、スタジオの名称や連絡先の他に、以下の役割分担を明記する必要があります。すなわち、以下の担当会社の決定が、THX pm3 プロジェクトを始めるに当たり、まず必要とされる事柄です。 ・ 建築設計会社及びその担当者 ・ 建築施工管理会社及びその担当者 ・ 音響コンサルタント会社及びその担当者 ・ 機材供給会社及びその担当者 ・ ワイヤリング会社及びその担当者 これらのうちで最も重要な役割は、「音響コンサルタント」です。 THXは、音響コンサルタント会社の担当者をプロジェクトの窓口にして、双方とのやり取りの中でTHX pm3 スタジオ設計及びその仕様を構築してゆきます。 音響コンサルタントの存在が希薄な体制でプロジェクトに望んだ場合、THXがその技術を十分に発揮できないばかりか、THXの要望と現場とのすれ違いが多くなり、プロジェクトの進行に混乱をもたらす結果になりかねないので注意が必要です。

THX pm3 のポテンシャルを最大限に引き出し、最も効果的なマルチチャネル・スタジオを設計するためには、スタジオで制作するマルチチャンネル・プログラムの内容を明確にする必要があります。 THXは、それぞれのスタジオがターゲットとするマルチチャンネル・プログラムに合わせて、個別にカスタムメイドのスタジオ設計を行います。 例えば、音楽スタジオとポスプロスタジオでは、使用するスピーカのモデルや設置方法などマルチチャンネルの再生環境を構築する手法が異なります。それは、「音」と「映像」のマッチングに関わる意味合いや、最終的にプレイバックされるエンドユーザーの再生環境が異なるからです。 THX pm3 プロジェクトを始めるに当たり、まずは、そのスタジオでどのようなメディアを制作し、どのようなエンドユーザーに聞いて頂きたいかをご想像下さい。 THXは、そのご要望に対し、部屋の条件（スタジオの広さなど）を加味した上で、最良のマルチチャンネル再生環境を与える設計を行います。

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